岩石薄片図鑑: 精細写真で読み解く鉱物組成と生い立ち解説
岩石薄片図鑑: 精細写真で読み解く鉱物組成と生い立ち口コミ
地質に関しての知識は一切ありません・・・が!
無彩色だと思っていた岩石を,切って,薄く擦って,顕微鏡で見ると,まるで万華鏡のような極彩色に見えるのは感激でした.
コンピュータで作れないような内部の鉱物の形にも驚かされました.
説明(特にあとがき)もやさしく,わかりやすかったです.
知らなかった私も楽しめる図鑑です.その方面の勉強をなさっている方々にはとても役に立つのではないでしょうか.
小学生のころから岩石の分類は苦手でしたが、見た目で分かりやすい写真で理解できないかと購入しました。
前提の知識が曖昧なままですので理解の進みは遅いですが、何度でも見やすい写真なのでいずれ把握できるようになるとは思います。
どの写真も数十μmの厚さの薄片に加工し、透過光による内部組織の例が数多くある珍しい写真集だと思います。
また岩石だけではなく、生物組織や植物組織などのタイトルは想像できないものも載っている顕微鏡写真集だと感じました。
青木正博先生の美しい写真が載った薄片の図鑑です。
あまり美しくない岩石を薄片に加工して、偏光板で覗けばあら、不思議。
なんと美しい世界が広がっているのでしょうか。
なお、岩石のみならず、水晶を縦にスライスしてみたり、フズリナ化石を偏光板に通してみたり、はたまた昆虫のタマムシや米粒をスライスしてみたり。薄片の新しい可能性について紹介されています。
薄片の入門としても、鉱物好きな人にもオススメしたい。
本屋でたまたま手に取ってみると,圧倒的な岩石薄片(プレパラート)の顕微鏡写真で,これは買わねば.B5版の見開きに精緻な顕微鏡写真が印刷され,なかなか専門家でもこのような像(全体と部分)を見ることは容易でない.
まえがきに,「本書は丁寧に製作した岩石薄片を,できるだけ大きな写真で紹介するために制作された.類書はまだない」,とあり,地学関係者だけでなく,絵画や美術,写真の愛好家にも有用だろう.
本書の構成: まえがき(1頁),本書の見方(2),I.造岩鉱物(6),II.火成岩(42),III.堆積岩(14),IV.変成岩(12),V.熱水沈殿物(24),岩石薄片の未来(5),高精度の薄片をつくる(3),他にTopics1~5,用語解説,標本の産地,索引,推薦図書・協力者,あとがきにかえて.全143頁.
あとがきにかえて,では著者の学生時代からの薄片についてのご苦労,特に変質岩の薄片へのこだわりが記されている.確かに,この手の本では珍しく,熱水沈殿物の顕微鏡写真が多く掲載されていて興味深い.粘土鉱物を含む薄片作成は,乾式法によることが産総研の試料調整グループの方々による「高精度の薄片をつくる」のまとめが掲載されている.