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やりなおし高校地学 (ちくま新書)

やりなおし高校地学 (ちくま新書)解説

やりなおし高校地学 (ちくま新書)

やりなおし高校地学 (ちくま新書)口コミ

全編わかりやすい言葉で書かれています。
はじめにセンター地学の問題があります。この問題が解けません。あとがきにあるように、高校地学の履修率が5%なので、世間一般の人がセンター地学の問題を解けないのは当然です。
センター地学の問題のつぎに、問題を解くために必要な知識の解説があります。この解説がわかりやすく秀逸です。読み進めていくと、問題の解答がなんとなくわかってきます。しかし、正解かどうか自信がないのでモヤモヤします。でも、最後の解答解説でスッキリします。

特筆すべきことがあります。言葉はまったく違いますが、新しい学習指導要領が示している「科学的に探究する学習」、「理科の見方・考え方」、「主体的・対話的で深い学び」、「理科の目標」と同じ内容が、あとがきに書かれています。当たり前のことですが小学校・中学校・高校の学習の延長線上に京都大学の鎌田教授の講義があるのです。

この本を読むと、高校地学の内容だけでなく、新しい学習指導要領が目指しているもの、すなわち日本の将来を背負って立つ子どもたちの未来も知ることができます。

地学を習っていなくて、基礎知識がない方が基礎を学ぶに丁度いい。説明も平易です。

高校では地学を履修しなかったのですが、興味がある分野なので読んでみました。地震大国日本に住んでいるので、プレート、地震の部分は興味深かったです。南海トラフ地震は2040年までに確実に発生し、確率的に連動性になりそうと知り怖くなりました。

良書です。受験生向けではありませんが私のような地学初学者には、どのような事を扱い、意義があるのかを分かりやすく伝えていただいてよかったです。またタイトルのとおり、振り返り、やり直しです。センター試験の過去問も話のきっかけとして出てきます。興味のあるかたはどうぞ。

通学していた高校は地学部(クラブ)のレベルが高かった(様々な賞を得ていた、今も得ていると思います)ですが、結局選択せず卒業しました。一方、大学・社会人に進むにつれて、地球・天文さらに物質への興味がわき、今も関連書籍を読んでいます。ただ、独学でしたので回り道も多く、購入したけれど読破しなかったものを多数ありました。本書を読み終えて、当時本書があればそのような回り道もせず自学自習できたのかと感じています。内容は平易で、少し物足りない部分もありますが、さらに深堀するにはいい道しるべだと思います。

地球内部の構造、プレート、地震、火山、地質から、大気、海流、そして宇宙までを300ページ弱で網羅しています。図画は必要最低限ですが、文章できっちりと説明されているので、よくある図解本よりも原理原則がしっかりと理解できて納得感があります。

面白いのは、各説明単位ごとに、実際のセンター試験の地学の設問があって、まずは自分がどれだけ分かっているか(分かってないか)を試されるのがユニークで良いです。相当難しくて、全部正解する人は高校生というより学者と言っても一般人には十分通用するんじゃないかと思うレベルです。

実際、センター試験で地学を受験する人は稀だそうで、自分も受けなかったし、だから高校でも真面目に地学を勉強してこなかったことを痛感しました。

プレートが沈んでマグマが地表に噴き出すとか、同じプレートでも大陸と海洋は動きが違うとか、今まで知ってたところから、さらにもう一歩深く理解することが出来て大変有意義な読書でした。また、オゾン層が出来たから生物が陸上に上がれたという話は、いかにオゾン層が大切かということを思い知らされました。

著者は、京都大学大学院人間・環境学研究科教授で、火山学・地球科学が専門の鎌田浩毅さん。京大の講義は毎年数百人を集める人気という。『やりなおし高校地学』とあるとおり、多少の地学の素養がある人なら楽しめる内容となっている。センター試験の問題と解答解説を挟みながら、地質・気象・天文の順に、高校地学のおさらいをする。
阪神淡路大震災や東日本大震災で活動期に入った地殻変動について学びたい、地球温暖化について学びたい、という方にもおすすめする。

入試問題や回答は要らないと思う。高校の地学のテキストは持っていないので。