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琥珀 (飯田孝一 宝石のほんシリーズvol.1)

琥珀 (飯田孝一 宝石のほんシリーズvol.1)解説

琥珀 (飯田孝一 宝石のほんシリーズvol.1)

琥珀 (飯田孝一 宝石のほんシリーズvol.1)口コミ

琥珀専門業者です。

いつもお世話になっている日本彩珠研究所所長の飯田先生が琥珀の専門書をお書きになったとのことで、早速、購入しました。

先生は「天然石のエンサイクロペディア」をお書きになり、さまざまなところで天然石に関するセミナーの講師をしていらっしゃるなど、この業界では知らない人はいない存在のお方です。

本は以下の5つの章で構成されています。

第Ⅰ項 「琥珀の歴史とイメージ」
第Ⅱ項 「琥珀を科学する」
第Ⅲ項 「琥珀の産地と形成の年代」
第Ⅳ項 「琥珀の美の秘密」
第Ⅴ項 「琥珀の鑑別」

そして随所に、「アンバーの名前の由来と龍涎香」、「漢方やアロマセラピーの中の琥珀」、「今後に期待できる産地」、「新技法を使用した加工処理」のコラムが書かれています。

また巻末には、「地質年代表」、「琥珀の関連名称」、「琥珀の模倣に使われる合成樹脂」に関する資料と、読みたいところが簡単に探せる索引が付いています。

さまざまな色の琥珀や採掘方法、偽物との鑑別方法、処理方法などの説明では、サンプル写真がフルカラーで多数掲載されており、また琥珀の産地についても地図入りで非常に分かりやすく、さまざまな角度から琥珀が説明されています。

また琥珀の鑑別方法、特に科学的な方法については、私自身も完全には把握していなかったので、ご説明いただいて助かりました。

もっとも専門的な科学技術用語はやはり読んでも理解できませんが……。

また琥珀のみならず、コーパルに関してもこれほど詳しく書かれた記述は見たことがありません。

本は全体的に事実に即した記述が中心となっていますが、コーパルや琥珀を加熱・加圧処理したカリビアングリーンアンバーに関する先生の私見は、個人的にとても興味深かったです。

琥珀に関する英語の本も数々出版されていますが、虫入りやアクセサリーに特化した内容だったり、出版されたのがだいぶ昔だったりします。

しかしこちらの本では、極めて最新(2015年現在)の事例が紹介されていると思います。

当社社員全員、絶賛の本です。

何よりも、飯田先生がこれからお書きになられる「宝石のほんシリーズ」の第一弾に、数ある天然石の中から、琥珀を選んでいただけたことを、琥珀業者としては大変光栄に感じております。

琥珀愛好家にとっては、まさに必読書ですし、琥珀についてそれほどご存じでない方や天然石全般に興味がある方にとっても、非常に読みやすい専門書です。

ロシアからのお土産で家族にいただいたペンダントがよくできたフェイクでした。で、勉強にこちらを購入。
最終的にはお店との信頼関係か検査出しになるのでしょうが、素人にもルースや多少の損傷覚悟なら、
ある程度簡単に真贋判別できる方法が幾つか紹介されていてよかったと思います。(本物への道は遠いかも・・・)
地学や植物学も好きなので歴史的な説明も楽しめましたが、透明度を上げる目的だけでなくて、
あのキラキラも加熱加工(加圧も)の結果の産物だったのは驚きでした。
(宝石類は加熱等の加工を普通やるのは知ってはいましたが)
手持ちのアクセサリーに不安に感じている人には「琥珀とは何か」を知るのにお勧めかもしれません。